冬の味覚の代表格として知られる、牡蠣。
牡蠣は「海のミルク」と呼ばれる食材。牡蠣にはタンパク質・ビタミン・ミネラルなどの栄養がたっぷり含まれています。カキフライなどの揚げ物や、鍋物の具にして食べられるほか、新鮮なものは網焼きにしたり、生のまま食べたりします。牡蠣を食べる歴史は古く、縄文時代から食用されていたとされ、日本人にはなじみ深い貝ですが、世界的にも広く食べられています。一般的に肉や魚介の生食を嫌う欧米でも、牡蠣はめずらしく生食文化が発達した食材です。フランス料理でも、生牡蠣は定番のオードブル。また、生牡蠣を多く取り扱う、オイスターバーと呼ばれるレストランもあります。
多くのビタミンやミネラルを豊富に含む牡蠣。中でも、亜鉛の含有量はトップクラスです。亜鉛は細胞の生成、成長に必要なミネラルです。亜鉛が足りないと、味覚障害や免疫力の低下にもつながります。また、牡蠣のうまみ成分はグリコーゲンやタウリンなどです。グリコーゲンはスタミナ源となって疲労回復の効果があります。タウリンは体内の解毒作用を担う肝臓の働きをアップして体調を整え、コレステロール値の改善にも役立ちます。このタウリンは、必須アミノ酸といって、体内で合成できないアミノ酸のひとつです。牡蠣には、タウリンをはじめとする必須アミノ酸が、バランスよく含まれています。
「Rのつかない月」つまり、May , June , July , August の5〜8月の牡蠣は食べるなと言われ、食用に適さないとされています。日本では北海道・広島県・三重県・宮城県などで大規模な牡蠣の養殖を行なっており、秋〜冬にかけてが旬とされています。
牡蠣を食べる際に注意したいのが食中毒です。加熱しないで、生の貝の身を丸ごと食べる機会が多いことと関係が深いですね。食中毒症状を引き起こす原因としては、貝毒、腸炎ビブリオ・大腸菌などの細菌、ノロウィルスなどがよく知られていますが、どの原因も牡蠣が育つ環境、つまり海水に由来するものです。2006年からノロウィルスが流行し、牡蠣が原因とされて、牡蠣の売り上げが大幅に減少しました。ですがノロウィルスは牡蠣に限るものではなく、原因も調理の際の不注意によるものがほとんどであるとされています。自宅で調理する際には、しっかり加熱してから食べることで、ほとんどの食中毒は避けることができます。
スーパーなどで売っている牡蠣には、生牡蠣には「生食用」と「加熱用」がありますね。何が違うのでしょう? 新鮮な牡蠣が「生食用」とされると考えがちですが、それは間違いです。「生食用」は保健所が定める指定海域で取れた牡蠣で、菌やプランクトンも少ない海域で育ったものです。その分生育が悪く、小粒で栄養分も少なく大味なのが欠点です。「加熱用」は保健所の定める指定外海域で取れた牡蠣で、川の河口など、菌やプランクトンが多い場所で育ち、生では食べられません。その分生育がとても良く、栄養も多く大粒です。加熱調理して食べるのであれば、「加熱用」を選んで牡蠣の美味しさを堪能して下さい。

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