おせち料理は、栄養学の見地からみても、非の打ちどころのない完璧なバランスを誇る料理です。おせちは「米、昆、果」を中心に作られていて、「米」は里のものをあらわし、「昆」は海のもの、「果」は山のものをあらわします。
疲労回復、強壮、美容、不老、健脳など、薬の効能もあり、おせちはまさに日本の知恵の粋をあつめた料理といわれる由縁です。
「豆」は、豆に働くという意味と、「世の中変化が激しいので、しっかり目をあけ、みすえて、その変化にうまく順応していかなければならない」という思いから、一年中頭を働かせて丈夫で働けるように、という願いが込められているそうです。
黒豆の脂肪には、レシチンやリノール酸が多く、血液をサラサラにしてくれるほか、若返りビタミンEの働きで美肌効果にも役立っています。さらに集中力や記憶力を高め、脳機能の向上などに効果があり、また、常用すると血行がよくなり、体力がつき、肝臓や腎臓が丈夫になります。
お正月には欠かせない、紅白なますは「平和」、「平安」を象徴しています。おせち料理には珍しく生ものですが、酢であえることによって、大根のビタミンCは安定し、にんじんのビタミンAとたっぷりの栄養価がえられるよう考えられています。昔から、冬の抵抗力をつけるための大切な調理法でした。
干し柿を細かく切って入れると「柿なます」、塩鮭の頭の軟骨を塩抜きして加えると「氷頭なます」となります。また、紅白なますには、お正月の間の食べすぎ予防と胃腸の調子を整える働きがあります。まさに先人の知恵の食文化の現れです。