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■歩行能力の低下
「すぐ疲れて歩けない」「よく転ぶ」子どもが増加しています。
現代の子どもたちの多くは、アスファルトに囲まれた都市型生活を送り、車での移動が増え、テレビやテレビゲームに費やす時間の増加により外遊びが激減。
このような環境による絶対的な歩行量の不足は、歩行時に大切な働きをする「ももを持ち上げる筋肉(大腰筋)」や、「骨盤のバランスを維持する筋肉(中殿筋)」の筋力を低下させてしまいます。その結果、歩行能力の低い子どもが増えてしまったのです。
また、これらの筋肉は姿勢維持や骨格の成長にも、重要な働きをしています。背骨や骨盤は、筋肉の動きに刺激されて発達します。そのため、骨盤周囲の筋力低下は、猫背などの骨格の異常や骨盤の未発達の原因となるなど、子どもの生涯に渡って悪影響を与えることが知られています。
■鈍感な足裏感覚
土踏まずのない子どもも増加しています。
そして、「土踏まずのない子どもは、土踏まずのある子どもに比べて、平均台における運動能力があきらかに劣る」という教育現場からの報告があります。土踏まずのない子どもはバランス能力が悪い、というのです。
土踏まずは幼児期に発達し、6才ころまでにしだいに完成されていきます。二足歩行をおこなう人類は、土踏まずがあることで体重を「かかと・小指の付け根・親指の付け根」の3点でバランスよく支え、運動能力を維持することができます。
また、土踏まずには衝撃を緩和するクッションの働きや、歩行時の蹴りだし動作を強くするなどの大切な役割があります。しかし、完全に舗装された道路環境で生活するとともに、絶対的な歩行量不足の子どもは、足裏への刺激が不足し土踏まずが十分に発達しません。その結果、バランス能力や歩行能力が低下してしまうのです。
さらに、「足裏への豊富な刺激は、脳の発達を促す」と論じる専門家もいるように、足裏感覚が鈍感になることの影響は、体力面だけにとどまりません。
■「自然の中を歩くこと」の大切さ
かつての人類は、起伏のある自然環境の中を歩くことで、知らず知らずのうちに下半身の筋肉が鍛えられていました。また、土の上や草の上、ゴツゴツした岩場などを歩く際には足の指をよく使い、足裏への刺激も十分に得られていました。
人類にとって「自然の中を歩くこと」は、もっとも基本的な体力づくり法であるといえます。そこで、手軽に自然の中を歩く方法としておすすめなのがハイキング。ハイキングとは、野山や海辺などを歩くことです。登山のような特別な装備がいらず、全国各地にハイキングコースも整備されていますので、家族みんなで一緒に楽しむことができます。身近な自然にふれながら、子どもたちの体力を高め、豊かな感性を刺激することができます。自然が一番躍動感にあふれているこの時期に、自然の中を歩く楽しさを、ぜひ子どもたちに体験させてあげましょう。 |