ストレスと言えば“つらいこと”“良くないこと”についてくるもの。ところが、“良いこと”や“喜ばしいこと”にもストレスは潜んでいるのです。気づきにくいストレスのサイン、自分でケアするための方法をお教えします。
監修:青山克子(日本カウンセラー学院)
日本カウンセラー学院の青山克子です。
今回から、心理カウンセリングの実例サンプルと、その問題に対するカウンセラーの考え方を分かりやすく紹介します。また、その問題に対するアドバイスも掲載します。皆様のお役に立てていただければと思います。
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約1年前に結婚して、新居で幸せな生活を送っていました。共働きで、仕事と家庭の両立は楽ではありませんでしたが、主人は女性が仕事にうち込むことにとても理解があり、家事にもとても協力的です。お陰さまで主人の仕事も私の仕事も順調で、約3ヶ月前、私は課長に昇進することが出来ました。新生活がますます充実し、幸せいっぱいのはずだったのですが、最近、夜眠れないことが多いのです。気がつくとイライラしていることもあるし……。
先日などは、自分が思ってもいないキツイ言葉を主人に浴びせてしまいました。私はいったいどうなってしまったのでしょうか? 結婚・主人の支え・昇進と良いこと続きのはずなのに……。
これから私はどうなっていくのか?まったく分からず不安です。
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ポジティブな変化であっても、それがストレスになってしまう場合があります
A子さんの場合、ご結婚・新居への引越し・昇進と、良い変化がたくさんあり、一見、何も問題ないように受け取れることでしょう。しかし、人が生活する上で、新しい環境や新しい人間関係から受ける様々な影響や刺激は、すべてストレスになるという考え方もあるのです。ストレスと聞くと、一般的に“悪い出来事が起きた時に受けるもの”という印象があると思いますが、実際には、おめでたい事や、いわゆる喜ばしいと思われる出来事からもストレスを受けるという考え方です。
人が感じるストレスを数値化した『ストレスマグニチュード』というものがあります。下の表をご覧下さい。
この表で数値が高いほど、ストレスを感じやすいというものです。
これを見ると、結婚や出産などのおめでたいことや、ありがたいはずの長期休暇なども、状況の変化と考えると何らかのストレスを感じてしまう原因になります。また、これらの出来事が短期間に重なると、ストレス値がどんどん加算されていくことになります。良い出来事が続いて心は充実していても、疲れやすく気分が落ち込みやすいということが起きてくるのです。
自分で「これはストレスだ!」と認識しにくいものを、『良いことに隠れたストレス』としましょう。『良いことに隠れたストレス』の引き金は、例えば、新居への引越しなどの目標や夢の実現、結婚など新しい人間関係の構築などです。
つまり、本来は自分をやる気にさせてくれたり、元気にしてくれたりするはずの状況や出来事のことです。このような、良い出来事に出会えないと、人は豊かには生きられません。しかし、往々にして人は、嬉しい出来事によって元気になると、より一層頑張ろうとしてしまうものでもあります。当然のことながら、頑張るためにはエネルギーを費やします。嬉しいことが続いている時は、前向きな気持ちに高揚してしまい、身体の疲れや気分の落ち込みにもなかなか気がつけない状態になるということを覚えおきましょう。
A子さんの場合、新生活に喜びを感じながらも、落ち着いて眠れなかったり、幸せの真っ只中にいると思いながらも、イライラが気になるということは、少し頑張りすぎしまい、自分のマイナスの感情や疲れている状態に気がつけず、ストレスがどんどん溜まってしまった状態になってしまったということが考えられます。
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