『幸せ』ってなんなのでしょうか?
私たちカウンセラーも答えに迷う質問です。

『幸せ』を辞書で引くと
【満ち足りていること、楽しいこと、またそのさま】と答えが出ます。
ですが、「どうなれば満ち足りているのか」ということを考えてみると、それは人それぞれ、その時々によって同じではないでしょう。
あなたは、どんなときに「満ち足りている」と感じるでしょうか?
どんなときに「楽しい」と感じるでしょうか?
マイカー、マイホーム、洋服など、欲しいものが手に入ったときに満ち足りた気持ちになることが多いですね。
あるいは、仕事で成功すること、学業で良い成績をとることで得られる「他人からの評価」に幸せを感じる人もいるでしょう。
恋人、伴侶、子ども、家族、友人など「人と人とのつながり」を求める人もいる。
「生きがい」や「人生の目標に向かうやりがい」もあるでしょう。
この他さまざま、私たちは望み、手に入れることで『幸せ』を実感するのではないでしょうか。
しかし、これらを得ても「満たされない」と感じる人も事実います。
『幸せ』とはなんなのでしょうか?
ここから、カウンセリングで実際にあった相談を基にした、2人の話をします。

小さなお店ですが経営状態は良く、収入も人並みに満足のいく暮らしをしている人がいました。
友人やお客さん達からは、うらやましがられ、自分でも「幸せなんだろうな」と思っています。
しかし、彼は悩みを抱えてカウンセリングに訪れました。
「いつも切迫感や強迫感を感じている、
満ち足りているなんて程遠い」と言いました。

カウンセリングを進めていく中で、彼の望みがわかりました。
「母親を喜ばせたい」という思い。
母をがっかりさせたくないから、特にやりたいと思う仕事ではなかったけれども、お店を開いてがんばってここまでやって来た、のだそうです。
「世話になった母を喜ばせたい」気持ちで頑張り、いつしかその気持ちを背負っている自分自身にも彼は気づかなくなっていました。
再びその気持ちを思い出すことで、彼は「
自分のためにではなく、母親のため、もしくは他者からの評価を得るために生きてきた」ことに気づきました。
彼は愕然とし、混乱もしていました。
やがて彼は思い至ったそうです。
「
自分の望みをかなえるために生きてもいいんだ」という気持ちに。
すると、「満たされているなんて程遠い」と感じていた、店を経営している自分の人生がとても価値のあるものだという実感がわいてきました。
最後には彼は「全身で幸せを感じる」と言ってくれました。