それは現代女性を取り巻く生活環境や生活習慣と深く関わっています。そのお話をする前に、心身が危機的な状況に陥った場合に人間の機能がどうなるかについて少し考えてみましょう。これは、一見無関係な話に思われるかも知れませんが、卵巣の寿命と深く関わっているのです。
人間は心身が危機に陥ると、生命体として生存できるための最小限の機能を最優先するように出来ています。具体的には、心臓、脳、副腎などの機能がこれに当てはまります。それに対して、生存に深くかかわっていない臓器の機能は一時的に止まってしまいます。生き延びるために、エネルギーを最優先の機能に集中してしまうわけです。
それでは卵巣はどうでしょうか?残念ながら卵巣は最優先される臓器の中には含まれません。表現は良くないですが、卵巣がなくても命にかかわらない、ということです。確かに、男性は生まれつき卵巣を持っていませんし、女性でも不幸にして若くして病気で両方の卵巣(ちなみの卵巣は子宮を挟んで左右に 1 個ずつ、計 2 個あるのが通常です)を摘出される方もいらっしゃいます。卵巣は摘出しても命にはかかわらないから摘出する のです。心身が危機に陥ったとき、神様は、生物として生き延びるために付加的な機能である卵巣機能は最初に止まるように女性のからだを創られました。
このような命に関わるような“心身の危機”というのは極端な例えかも知れません。しかし、現代に生きる多くの女性は、心身が“危険な兆候”にさらされています。例えば、過度なストレス、栄養の過不足、喫煙、過激なダイエットによる体重の病的な減少、極端な冷え性・・・これらは1つぐらい誰もが身に覚えがあることだと思います。そして、こうした状況は、“心身の危険な兆候”として女性のからだにシグナルをおくります。
悪条件が速やかに解消されれば卵巣の一時的な機能低下でとどまり、老化を早めるまでにはいたりません。しかし、“心身の危険な兆候”が続いて卵巣を取り巻く環境が好転しないと、ついには卵巣は老化を早め、卵巣の寿命まで短くなってしまうのです。 |