(初潮の始まり)
日本人女性の初潮(始めて月経がおきる)年齢は大体 11 歳ぐらいです。月経が始まるということは、からだのなかで卵巣から女性ホルモンが分泌され、排卵が始まった証拠なのです。初潮以降は女性ホルモンは徐々に分泌量が増えてきますが、数年は不安定な時期が続きます。その結果、思春期の月経は不順傾向となります。例えば、婦人科の外来診療を担当しておりますと、高校生の患者さんとお母様が来院されて「初潮はきたが、不順で次の生理がいつくるのか分からない。出血量が多かったり少なかったりする。」といった内容のご心配をよく聞きます。先に書きましたように、初潮後の数年間は女性ホルモンの分泌は不安定で、排卵もあったりなかったりするので、思春期の生理不順はあまり心配ありません。
(性成熟期)
女性ホルモンの分泌は18歳位で安定します。個人差はありますが、ほとんどの女性は遅くても25歳までには安定します。その後は30歳代後半まで卵巣機能はピークを迎え、女性ホルモンの分泌は充実し安定したステージを迎えます。この時期が性成熟期です。女性ホルモンの分泌が充実しているはずの性成熟期の生理不順は思春期の生理不順と意味合いが異なります。この時期に、月経周期が25日から38日の間から外れる女性は、排卵や女性ホルモンの分泌がうまく行われていない可能性が高いのです。ちなみに月経周期というのは、生理の1日目から次の生理が始まる前日までの日数のことです。
(更年期)
40歳前になると、見かけ上の月経周期は順調でも、卵巣の機能は老化傾向に入ります。女性ホルモンの分泌が減少したり排卵しなくなったりという周期がでてきます。それが月経の周期は順調だが以前より早く生理が来るようになったとか、月経の出血量が減ってきたりという形で現れます。そして、卵巣機能の老化が確実に進行し始めるのが40歳代半ばになります。いわゆる更年期といわれる時期の始まりです。日本人女性の平均閉経年齢は50歳から51歳といわれています。更年期とは閉経をはさんで前5年、後5年の合計10年間を意味します。この時期は、卵巣機能が低下する過程で女性ホルモンの分泌が減少し、心身がそれに適応できないために多様な症状が現れます。いわゆる更年期症状と呼ばれるものです。
(閉経)
そして閉経を迎えると卵巣機能は完全に停止し、女性ホルモンの分泌と排卵が行われなくなり生殖機能が失われます。閉経以降は再び女性ホルモンが分泌されたり排卵したりということはありません。閉経してから5年以上経過すると、心身は女性ホルモンがない状態に適応し始めるので更年期症状は軽快し、しだいに消失します。
このように、女性の一生は女性ホルモンと共にあると言っても過言ではありません。そして、女性に特有の心身の変調は、この女性ホルモンのステージのダイナミックな変化によって引き起こされます。したがって、女性ホルモンの変化とそれに伴う心身の変調を理解しておくことは、健康管理だけではなく、女性の人生設計にとっても大変有意義な事だと言えます。
まずは、自分が女性ホルモンのどのステージに位置しているのかを知ることから始めてみましょう。そして、月経のある方は、ご自分の月経(性)周期がわかりますか?今日は月経周期のどのあたりになるかわかりますか?ご自身の女性ホルモンを知ることが、体調管理の第一歩になります。 |