低用量ピルとがんの関係

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<プロフィール>
1991年3月 大分医科大学(現 大分大学)医学部医学科 卒業
東京大学医学部付属病院 産婦人科学教室研修医、 愛育病院を経て、東京労災病院産婦人科医長、 東京厚生年金 病院産婦人科医長などを歴任

女性のトータルウェルネスを考えることをライフワークとし、婦人科医という立場から「女性の美しくありたいとの想い」に応えている。
現「霞ヶ関土居美佐クリニック(HP)」院長。

前回に引き続き、婦人科で処方される低用量ピルについての第2回。その副作用など、女性にとって、ぜひ知っておきたい低用量ピルの知識や誤解について、婦人科医・土居美佐先生におうかがいします。


低用量ピルと乳がんの誤解
image昔、といってもほんの数年前まで、「ピルを飲むと乳がんにかかるリスクが増える」と信じられていた時期がありました。
今でも婦人科以外の医師の中でさえ、そう誤解している医師も少なくないのではと思います。
事実は決してそうではありません。

最近の研究では、低用量ピルの使用によって乳がんリスクが増加する可能性は低いことがわかってきました。
血の繋がった家族(実母、実姉妹)に乳がんにかかった人がいる女性が、どの種類の低用量ピルを服用しても、どのくらいピルを長く飲んでいても、乳がんリスクの増加はありません。

ただし、乳がんはホルモン感受性腫瘍でありますので、すでに乳がんにかかっている人、または過去にかかったことがある人が低用量ピルを長期間飲むと、乳がんの悪化を促進する可能性はあります。

そもそも、低用量ピルの内服にかかわらず、日本人女性が乳がんにかかる確率は数年前まで25人に1人といわれていましたが、今はなんと20人に1人に増えてきています。アメリカでは8人に1人、乳がんにかかるといわれています。
日本人も今よりもさらに増えて将来的にはアメリカ人に近いレベルまでに増えていくだろうと推測されています。

このように、もともと罹患率(病気にかかる人の割合)が高い乳がんですから、低用量ピルを内服する女性も内服しない女性も1年に1回は乳がん検診をぜひ受けていただきたいと思います。
特に、ピルを内服している女性は20歳代であっても、健康管理のためにぜひ、乳がん検診を受けていただきたいと思います。

子宮頸がんのリスクを知ろう
乳がん以外のがんで低用量ピルと関係のあるものとして知っておいていただきたいのは、子宮頸がんです。

子宮頸がんはセックスが原因で感染するヒトパピローマウイルス(HPV)の一部が子宮頸部に持続感染することが発がんの主因だとわかってきました。
ですからセックスを始めた女性はみんなリスクを持っているのです。

かつて誤解されていた、『年齢』によるものではないのです。

この子宮頸がんは、低用量ピルの薬理的な問題なのか、低用量ピルを飲んでいるとコンドームを使わない人が多くなることが原因なのか、現在のところよくわかっていなません。

ですが、低用量ピルを5年間にわたって内服するとそのリスクがわずかに増加し、10年間内服すると子宮頸がんのリスクは2倍になるといわれています。

ですから、長期間にわたって低用量ピルを内服する女性は、できる限り1年に1回、子宮頸がん検査を受けてください。
もちろん、低用量ピルを飲んでない女性も、セックスを始めるようになったら1年に1回は子宮頸がん検査を受けた方がよいですね。

最近はヒトパピローマウイルスの有無を調べることもできるようになってきましたので、そちらの検査も併用されると診断の精度はさらに良くなるでしょう。

今回は、低用量ピルとがん、特に若い女性でもかかるがんについてお話させていただきました。低用量ピルの内服をきっかけに、身近ながんについての知識を増やしていただければ幸いです。


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