『デトックス』という言葉は聞いたことはあるけど、意味や効果をハッキリ説明できる人は
多くないかもしれません。
婦人科医である土居先生が、デトックスについてお話しします。
数年前、デトックスはブームになりましたね。
私もその頃、デトックスについて真剣に考える機会があり、
少し勉強して、実際に実践してみました。
今回は私がそこで実感したことをお話ししようと思います。
医学的な難しいお話ではありませんので、お気楽に、リラックスして読んでください。
『
デトックス(detox)』という言葉は、
体内から毒素や老廃物を取り除く、という意味の『
detoxification』を略した言葉です。
「老廃物はわかるけど、日常生活で毒素が身体に入り込むことなんてあるの?」と
思われがちですが、ほとんどの人は日常的にいろいろな毒素を身体にとりこんでいます。
毒素を簡単に言ってしまうと、
汚染された大気や食品添加物や農薬など食品に含まれる化学物質、有害重金属、
病気の治療目的に使われる一部の医薬品ですら合成化学物質で構成されており、
これらを大量に摂取すると毒素になってしまうのです。
日常的に私たちの周りに毒素はある、と言って良いでしょう。
これらの毒素や老廃物は、長期間、大量に体内に蓄積されると細胞機能を異常にして、
結果的には臓器の機能障害となって症状が出現します。
ですが、人間の身体はよくできていて、簡単には毒素に負けてしまわない機能を持っています。
それデトックスなのです。
サプリメントを飲んだり、何か特別なことをするわけではありません。
人間の身体は本来、デトックスの機能を持っているのです。
ただし、それがきちんと機能している人とそうでない人がいるのです。

体に留まった毒素や老廃物のデトックス、その最大の経路は排便です。
体内の毒素の
75%が便となって排泄されます。
20%が尿となって
排泄されます。
残りの5%が汗、皮脂、呼気、皮膚、毛髪から排泄される
仕組みになっています。
「便秘が体によくない」と言われる理由のひとつはここにあります。
便秘がひどくなると腸内に毒素や老廃物が留まります。
その結果、腸内で細胞を障害する活性酸素が増えたり、
腸の中の悪玉菌が増加します。
その結果、便を腐敗させてさらに老廃物を増やします。
増えた老廃物は体外へ排泄されるどころか、腸の粘膜から再吸収されて、
再び身体をめぐって細胞を障害するのです。
便秘ではなく、毎日排便のある人も注意が必要です。
アルコール、動物性脂肪、砂糖を多く食べる人は、腸内環境が悪くなっています。
具体的には腸内には善玉菌と悪玉菌が存在しているのですが、
これらの食品を多く食べる人の腸内は
悪玉菌が大変に増加しています。
その結果、毎日排便はあるがデトックスはできていない、という結果になるのです。

では、簡単に腸内環境の良し悪しを判断できる方法をお教えします。
それは
便臭です。
便って、くさくて当たり前、と、思っていませんでしたか?
違うんですよ。腸内に悪玉菌が多くて腸内環境が悪い人は便臭がくさくなりますが、
乳酸菌などの善玉菌が多くて腸内環境の良い人の便は無臭かやや酸っぱい感じに近くなります。
実際、私もアルコール、動物性脂肪、動物性たんぱく質、砂糖を控えた食生活を
2週間ほど続けてみました。
結果、便からにおいがほとんどなくなったのです。ほぼ無臭に近い状態でした。
他にも変化が出ました。汗です。

夏は汗をいっぱいかきますね。
その汗が冷えるとベタベタしていたのですが、便がくさくなくなってからは、
汗がさらっとしていて、冷えてもベタベタしないのです。
腸からのデトックスがうまくいかないと、体をめぐっている毒素や老廃物は
他の経路から出て行こうとするわけです。
そうすると汗の中に毒素や老廃物が増えて、
汗の成分がネバネバしたものになり、ベタベタするわけです。
体臭も同じです。皮膚から出る汗や皮脂に毒素や老廃物が増えると、
体臭がきつくなります。
そして、排便以外の経路からデトックスが行われても
それはごくわずかに過ぎません。
私が今回お伝えしたい一番のポイントは
「良いお通じが、デトックスに直結する 」ということです。
毎日の診療のなかで、
患者さんに便とデトックスのお話をすることがあります。
興味をもたれた患者さんがライフスタイルを見直されたり、腸内環境を改善して
良い便が出るような治療を受けられて、にきびやアトピーが改善した人もいます。
排便によるデトックスを促進して肥満を解消し、肝機能や脂質代謝も
改善した患者さんもいらっしゃいます。
排便によるデトックスが順調であれば、臓器の機能障害もある程度予防できるという
しくみになっているのです。
たかが便、されど便。
みなさんも便に注目してみましょう。暖かい季節でしたら、汗や体臭にも注目してみましょう。
デトックスがうまく働いているかどうかが、判断できます。