


「薬膳料理というと、体に良いけど苦い料理であんまり美味しくないと思いがちじゃありませんか?」 今回取材を受けてくれた「10ZEN」のマネージャーである早川さんにそう言われて、その通りとうなずいてしまった。そもそも薬膳料理とは、季節に合った食べ物をバランスよく摂取することで、その食材がもつ効能を最大に活かせるという特徴をもっているのである。ただ「薬膳=漢方薬を使うもの」というイメージがあり、それが苦いという認識を生んでいるのかもしれない。 「誰だってご飯をおいしく食べたいと思っているはずなんです。そこで、『10ZEN』では、生薬を使いつつも、ご飯をおいしく食べたいという当たり前の願いに応えることをスタッフ全員が心がけ、メニューの創作をしています。おいしく食べて健康になってもらう、さらにそれを日々の生活にもっと取り入れてもらいたいというのが、 このお店の根本にある大きな願いなのです」


10ZENのランチは、デパ地下などで人気のデリスタイルをとっており、オリジナルの薬膳料理をチョイスできるようになっている。 「うちに訪れたお客さんには、まずランチ用チェックリストで自分の身体のタイプを確認してもらいます。それによって、自分の体質が「冷え性タイプ」・「平タイプ」・「暑がりタイプ」のいずれに属するかがわかり、例えば冷え性タイプの人は体を温める効果のある料理にするなど、自分の身体に合った料理を選ぶ上での参考にしてもらうんです。もちろん自分が食べたいと思うものを選ぶのもオッケーなんですけどね」 サラダ+副菜+メイン+ごはん+デザートor天然みそスープを各1種類ずつ選んで、わずか1,000円ということもあって、健康志向の女性や中高年の男性からの人気が高い。また、メニューは週替わりとなっていてポイントカード制も導入しているので、リピーターの方も多数いるとのこと。


「どうしたらもっと効率的に身体に良いものを取り入れて健康になれるだろうと思い、考えついたのが鍋料理なんです」と話す、早川さん。 ディナーを飾る代表的メニューの1つであるこの鍋には、真ん中にしきりがあり、甘いスープと辛いスープの2種類が楽しめるようになっている。しかもこのしきりには、 毒素排出のための秘訣が隠されているのだという。 「デトックス(毒素排出)と聞くと、皆さんは出すイメージが強いと思うんです。でも、体が弱っている状態で毒素を出そうとしても、肝心の出すエネルギーが体内にないため、毒素を出し切れないのです。だから、この鍋では、まず甘いスープのほうで体内にエネルギーを入れて、辛いスープで毒素を出すという2段階の効果を生み出しています」 20種類以上の生薬をブレンドした秘伝の薬膳スープは、生薬の苦味を一切感じさせないおいしい味に仕上がっており、お客様も最後の一滴まで飲み干してしまうとか。新陳代謝を高め、体内の不要物を排出し身体を芯から温めてくれる毒素排出鍋は、これからの季節にありがたい一品である。
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