薬には、医師が診断をもとに処方する「処方薬」(医療用医薬品)と、薬局でだれもが自由に買える「市販薬」(一般用医薬品)の2種類があります。
一般用医薬品の医療上の位置づけ |
市販薬は、病気が軽症の場合の初期治療薬として、セルフメディケーション(自分の健康を管理し、軽症の病気やけがは自分で治療すること)の手段となる医薬品です。定められた用法・用量や注意事項を守れば、一般の人が自分の判断で使用しても効きめや安全が保たれる薬として、薬局・薬店で販売されているものです。
医師から処方される薬と市販薬との違い |
病院でもらう薬は、医師が患者の体質や症状に応じて処方します。ですから、指示通りに処方薬を用いていれば病気も早く治りますが、それだけ強い薬が処方されます。薬局で買える薬はいろいろな人が買うので、一人一人の症状に応じた処方ができません。そこで誰でも安心して買えるように、効きめを抑え(薬の成分を少なめにしてある)、安全を重視したものになっています。
処方薬と市販薬の違い |
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処方薬(病院でもらう薬) |
市販薬(薬局で買う薬) |
| 他の呼び名 |
医療用医薬品 |
大衆薬、OTC薬、一般用医薬品 |
| 購入方法 |
医師の診断をもとに出された「処方せん」がないと、買うことができない。 |
「処方せん」がなくても、薬局などで、自分で選んで買うことができる。 |
| 薬の目的 |
特定の症状に有効であること。一人ひとりの症状、体質にあう、早く治るようにする強い薬である。 |
だれでも買えるように安全であること。軽症の場合の初期治療薬。使い始めて2〜3日たっても症状がよくならない時は医師の診察を受けること。 |
| 特徴 |
熱があれば解熱剤、咳があれば鎮咳剤というように症状ごとに処方される。 |
症状ごとの薬ではないため、病気が初期のうちは有効であるが、進行した状態には向いていない。 |
| 成分 |
1つの薬に1つの成分を含む |
1つの薬に色々な成分を含む。「総合感冒薬」がその典型。 |
| 効きめ |
有効成分の種類が多く、効きめが強い。 |
有効成分が少なめになっているものが多く、効きめは弱い。 |
| 副作用 |
効きめが強い分、副作用が現れることもある。 |
効きめが弱い分、副作用も少ないとされるが、体質によっては副作用が現れることもある。スイッチOTC薬は効きめが強いので、副作用が現れることもある。 |
| 対象 |
患者一人ひとりに応じている。医師が患者の体質、症状にあわせて薬の種類や量を決める。 |
患者一人ひとりに応じていない。薬剤師に相談すれば、症状や体質にあったものを選んでもらえる。 |
| 使用期限 |
使用期限が記載されていない。医師が処方した薬は長期の保存を考えて作られていない。処方される分量は治るまでにこれくらいかかるだろうと考えられる日数分なので、残らないようになっている。 |
使用期限が記載されている。製造してから3年程度は保存できるように安全性の高い成分を使用している。 |
| 薬の値段 |
薬1錠あたりの値段(薬価)が国で決められているので全国どこでも同じ金額である。 |
店や日によって値段が変わることがある。 |
OTC薬
「OTC」とは「Over The Counter」の略で「薬局のカウンター越し」に置かれ、症状を聞きながら、販売される薬のことをいいます。
市販薬は多くの成分を含む
たとえば、総合感冒薬では、風邪の様々な症状に対応できるよう解熱鎮痛に効く成分や、咳を止める作用のある成分など、様々な成分が、ひとつの薬に含まれています。
市販薬は成分が少なめ
例えば、よくTVで宣伝しているH2ブロッカーの1日限度量は、シメチジンが8分の3、塩酸ラニチジンが4分の3と、医療用よりも低く設定されています。しかし、ガスター10の成分のファモチジンは、医療用とまったく同じ成分・量になっており、使用には十分注意する必要があります。
スイッチOTC薬
「スイッチ」とは「転用」の意味。つまり医療用医薬品として医師の処方せんがなければ使えなかった医薬品が、一般用医薬品(市販薬)に転用され、薬局で買えるようになった薬のことです。よく知られているものに胃酸の分泌を抑えるH2ブロッカーや、湿布などに含まれている成分で消炎鎮痛作用のインドメタシン、鎮痛薬の成分イブプロフェンなどがあります。もともと医師の判断がなければ使用できなかった薬なので、市販薬の中では効きめが強い薬です。そのため副作用の心配もありますので、薬剤師によく相談した上で服用してください。また用法・用量は必ず守りましょう。
処方薬と市販薬の名前は似ていても、成分が違います。 |
処方薬と市販薬で同じような名前の薬もありますが、名前が同じでも成分が違っています。基本的にはまったく違うものだと考えておきましょう。 |