薬剤師は、医療機関等の調剤所で、医師もしくは歯科医師又は獣医師の処方せんによって調剤する場合など以外、原則として、薬局以外の場所で販売又は授与の目的で調剤してはならないことが法律で定められています。
また調剤に従事する薬剤師は、調剤の求めがあった場合には、正当な理由がなければこれを拒んではならないことが法律で定められています。ですから、処方せんはどの薬局でも受け付けてもらえますし、原則として薬局は処方せんを受け付けなければなりません。
処方せんに記載されている薬の備蓄がその薬局にないということは、調剤を拒否する正当な理由として認められません。しかし、有効期間を過ぎた処方せんについては、調剤を拒否する正当な理由になりますので注意してください。
通常、医師がとくに有効期間の記載をしていない場合は、処方せんの有効期間は処方せんの発行日を含めて4日間です。もし10月1日に処方せんが発行されたのなら、10月4日までがその処方せんの有効期間です。
さらに調剤済みとなった処方せんは、調剤済みとなった日から3年間保存しなければならないと法律で定められています。現在、写しは簡単にコピー機で作成できますが、それを使用すれば偽造処方せんを使用したとみなされ、逮捕され懲役刑になる可能性もあります。
薬の基礎知識でも紹介しましたが、処方薬はその患者さんの現在に必要な薬ですから、処方せんが発行されてから5日も6日もたってからだと医師が診察した状態とは変わっていることが多く、その処方薬自体が有効とはいえないのです。
時々、薬局に処方せんを持参したのに調剤できないと言われた、という人の声を聞きます。よくよく話を聞いてみると、その方が“薬局”と思っていたところが、実は“薬局”ではなく、“薬店”だったということがよくあります。
薬局と薬店の大きな違いは、調剤室があるかないかです。薬店には調剤室はありませんし、薬剤師がいなくてもよい種類の薬店もあります。前述の通り、原則として薬剤師は薬局以外の場所で調剤できませんから、薬店では調剤できないのです。以前は一般的な常識が薬屋さん=薬局であったので、調剤室のない薬店が、“○○薬局”と看板を掲げていることもありましたが、法律で原則として“薬局”でないところが薬局の名称を称してはならないとなっており、薬店の薬局という名称使用の変更が勧められてきました。
このような背景で、本来薬局とは調剤する場所であるにもかかわらず、一般的常識では調剤する場所と思われていないため、患者さんがわかりやすいように、法律上では存在しない調剤薬局という名称が誕生したのです。 |