誰だって不安に思うことがあります
 飛行機に乗る前に「事故に遭わないだろうか」と不安に感じたり、受験前日に「失敗したらどうしよう」と考え込んでしまったり、誰でもこういった経験を持っているでしょう。しかしある日突然、何の理由もなくいいようのない不安にかられ、動悸や頻脈(ひんみゃく:脈が速くなること)、息苦しさなどの症状が現れて、最終的には「このまま自分は死ぬかもしれない」「発狂するかもしれない」といった強い恐怖に襲われるのであれば、それは一度病院で診てもらった方が良いでしょう。「パニック障害」という心の病気の一つかもしれません。
どんな人がなりやすい?
今のところ、どうしてパニック障害が起きるかはわかっていません。ただどんな人に起きやすいかは少しずつわかってきました。
・ストレスを発散せずお腹の中に抱え込んでしまう
・我慢強い
・神経質
・責任感が強い
・鍵をかけただろうかなどと、常に気にする
・人の目を気にする
・潔癖
・自己中心
こういった項目に当てはまる人は、転職など周囲の環境変化が起こった時にそれが引き金となって症状があらわれるようです。
怖くて家から出られない
突然襲われる恐怖のことを「パニック発作」といいますが、このパニック発作が怖いのは原因も予兆もなしに起こるということ、繰り返すことが多いということ、そしてエレベーターや電車に乗っている時や狭い地下街や人混みにいる時など、場所や時間とはおかまいなしに発作が起こるということです。一度発作が起きると「またここで発作が起こるんじゃないだろうか」と不安が募り、似た場所には行けなくなってしまう人も少なくありません。これを医学用語で「予期不安」といいますが、この予期不安のため家から一歩も出られなくなる人もいるようです。
周りの人に協力をお願いしましょう
大丈夫と思っていても突然起こる発作。自分ではどうしようもない状態ですから、家族や友人にも協力してもらいましょう。電車なら、何かあったときにすぐに降りられるように各駅停車を使うよう、一緒にいる人にお願いしてみましょう。エレベーターに乗る時も、できるだけ家族や友人に同乗してもらいましょう。知っている人が近くにいるだけで安心できます。人混みの中で発作を起こす不安があれば、待ち合わせはそういった場所を避けて広い場所を選ぶようにしましょう。
早めに病院で診てもらう
パニック障害であれば、薬や精神療法で治すことが出来ます。症状が軽ければ軽いほど治りも良いので、早めに診てもらうことが大切です。精神科に行きづらかったら、まずは心療内科でもよいでしょう。医師に症状を聞いてもらうだけで、気分がほっとしたという人もいます。また、一人で行くことが不安だったら、誰かに付き添ってもらいましょう。心細さや不安などのネガティブな気持ちを抱えたままで受診するより、その方がずっといいのです。
どんな治療法があるの?
パニック障害に使う薬は、抗うつ薬、抗不安薬、漢方薬などです。薬の中には抗うつ薬のように、口が乾く、眠くなる、ふらつき感、便秘などの副作用が出る薬もあるので、医師からきちんと説明を受けて下さい。精神療法では、不安に思うことに対しその解決策を考えていく方法、パニック発作が起きた時をシミュレーションし、そんなに怖くないということを体で覚えていく方法など、いくつかの方法があります。
心の持ちようも大切
「お医者さんにかかったんだから、もう大丈夫」と気を大きく持ち、なるべく不安な気持ちにならない環境を作っていきましょう。考えすぎている、自分を追いつめている、と気づいたら気分転換を図りましょう。そして何ごとにつけても細部にこだわらず、適当に。辛ければ、すぐに止める――こんな生活を目指すといいでしょう。神経が過敏で責任感が強い人にとって、こういう生活は心苦しく難しいでしょうが、そこは、ちょっとチャレンジしてみようかな、くらいの気分でトライしてみましょう。 |