かつての常識?1日1便
食べ物を口にした以上、便がでるのは当然のことです。通常なら、1日1回のお通じがあってもおかしくないとされています。事実、かつてはほとんどの人が、毎朝お通じがあったといわれています。ところが現在では、1日1回お通じがある人は、5人に1人もいなくなってしまったそうです。背景には不規則な食生活、特に朝食を抜く人が増えたことが大きいといわれています。食べ物を食べると、お腹に圧力がかかるので、便が出やすくなります。快食快便。一日の始まりは、体内から便を出して、すっきり気分でのぞみたいものです。
1週間に2回以下の排便は、便秘
体外に排泄されない便は、大腸に残されます。そのままの大きさで、いつまでも排泄されなければ、大腸は便ではちきれてしまうはずです。そうならないのは、便から水分が抜かれ、小さくなっていくからです。ところが水分を抜かれた便は、硬くなり、ますます排泄されにくくなるのです。一般に、1週間に2回以下しか便がでない状態を、便秘といいます。便秘が続くと、お腹がはるだけでなく、肌のトラブル、頭痛や肩こりを起こすこともあります。さらに便には、発がん物質も含まれています。腸壁に触れる時間が長くなるほど、大腸がんになる危険率が高まるともいわれています。
女性に多い、我慢した挙げ句の便秘
便秘には、3種類あります。1つは、腸がたるんで、便を出す力が弱くなって起こる便秘です。これは下剤の使いすぎから起こることもあるので、注意しましょう。2つ目は、直腸がけいれんして、便が肛門に進めなくなって起こる便秘です。このときは、たくさんのおなら、コロコロと小さな便がでます。原因は、ストレスと疲労です。解消するには、リラックスが一番。薬を用いると、悪化しやすいので注意してください。3つ目は、排便を我慢しているうちに出なくなってしまった便秘です。若い女性に最も多いのが、このタイプです。便意を感じたら、すぐにトイレに行くようにしましょう。
便秘をもたらす病気
大腸ポリープや大腸癒着などの病気が原因で、便秘になることもあります。ほかに、女性に特有の原因として、子宮筋腫や卵巣のう腫も考えられます。これらの腫ようや異変によって、腸が影響を受けたことから、便がでにくくなることがあります。月経痛がひどくて、しかもしばしば便秘気味になるという人は、一度、産婦人科で診てもらったほうがいいかもしれません。
腹筋と腹式呼吸で、便秘を解消する
便秘治療は、運動と食生活の改善が一番です。そもそも男性に比べて、女性に便秘が多い理由のひとつは、筋力の弱さだといわれています。そこで、体の排便システムにかかわる腹部の筋力を増す運動をおすすめします。いわゆる腹筋運動です。寝た状態で両ヒザを立て、なるべくお尻に近づけます。腰を床に押しつけるように、お腹に力を入れ、上半身を丸めます。(上半身を持ち上げるのでなく、おへそをのぞくように丸めることを意識します。)あるいは、両ヒザを90度ぐらいに曲げたまま、かかとを床につけ、腰が少し浮くぐらい下半身を持ち上げてもいいでしょう。さらにお腹でする腹式呼吸を心がけると、横隔膜を固定させる力が強まります。つまり腸内にたまった便が、横隔膜側に膨らむのを防ぐので、便秘解消につながります。
快便をもたらす食物繊維
食べた物が便になる時間は、通常の日本人で、1日半。肉やバターなど動物性の食品をよく食べる欧米人は、3日かかるといわれています。欧米人の食事は、食物繊維が少ないので、それが原因のことも多いようです。食物繊維は、海草やキノコ、豆類、ゴボウ、イモ、にんじんなどに豊富に含まれています。とはいえ、サラダばかり食べるのはよくありません。快便のためには、野菜は生でなく、火を通して食べましょう。注意したいのは、腸がけいれんして起こる便秘です。このタイプは、食物繊維をとりすぎると、腹痛を起こすことがあるのです。加減しながら、ほどよく食べるようにしましょう。
自然な排便があるまで、気長に待つ
思うように便が出ないと、つい力んでしまいがちです。力が入りすぎると、痔につながりやすいので、危険です。長いトイレも、同じです。痔になると、痛みのために、排便するのが苦痛になり、便秘にもつながりがちです。毎朝決まった時間にトイレに行き、3分たっても出なければ、翌日に再チャレンジしたほうがいいでしょう。暖房便座でウォシュレット機能がついてあるものをお持ちの方は肛門に刺激を与えて便意を促進することも一つの方法です。それでもダメでしたら、自然に便がでるまで、気長にチャレンジし続けましょう。
気になる症状については、一人で判断をせず、お近くのクリニックまたは病院で検査をして下さい。専門家の意見や判断をあおぐことをおすすめします。 |