身体と脳を休養させるのが役目
眠りには、身体の疲労回復だけではなく、脳の疲労を回復させるという重要な役割があります。心身の疲労は、脳の疲労からきていることが多いのです。熟睡できないと感じるのは、脳の疲労が回復していないため。睡眠中に日常の細々したことから開放されることで、脳がリフレッシュされ、熟睡したという実感となります。これがない場合、目が覚めても疲れが残っているように感じます。
ストレスを自覚していますか?
何かの心配ごとや悩みがあると、なかなか脳の緊張が解けず、熟睡できない状態になります。プレッシャーのかかっている状態で夢見が悪くて熟睡できなかったことなど、経験したことがあるでしょう。またストレスなどで自律神経が緊張しすぎているときも、なかなかリラックスできず、熟睡できません。対処法としては、まず何が自分を悩ませているのか、ストレスのもとを自覚し、その解消につとめることです。
身体の状態をチェックしてみる
肩がこっているとき、血行不良の場合、腰痛のある場合などは、熟睡できないものです。自分の身体をチェックしてみましょう。特に片側ばかりを下にして横たわっているようなら、もう一方の側のどこかが悪いので、無意識にそうした姿勢をとるのかも。食べたばかりで寝ようとしても、身体活動が活発になるため、やはり熟睡できません。胃が空っぽのときは胃酸が刺激するので、熟睡の妨げになることがあります。こんなときには温かく胃に負担のかからないものをとってから寝ると、効果的です。
寝酒はほどほどに
ほどほどの量のお酒なら、入眠効果があり、ぐっすり眠れることも多いものです。しかし友人たちとの団らんで飲む場合と違い、眠るための特効薬として飲む場合には、かえって逆効果のこともあります。アルコールは胃腸を刺激します。身体活動が活発ということは、脳は休めないということ。また、お酒を飲むとのどが渇きがちです。かえって夜中にのどの渇きで目が覚めることにもなりかねません。リラックスした状態で、適度な量を、ゆっくり飲むというのが、正しい寝酒です。とはいえ、くれぐれも依存症にならないように注意してください。
寝る姿勢や寝具も大切
あなたはどんな姿勢で眠っていますか。横向き?仰向け?それともうつ伏せですか?実は仰向けで寝るのが、一番いい姿勢だといわれています。うつ伏せや横向きの場合は、内臓に負担がかかるので、熟睡できないことが多いのです。枕が高すぎたり低すぎたり、あるいは固すぎたり柔らかすぎることで、首から背中に負担がかかり、身体に緊張をあたえてしまいかねません。理想的な枕の高さは、まっすぐな姿勢になるように、背中から首のラインが自然に保たれるもので、背が反り返るものや前傾になるものは、さけましょう。敷き布団やマットレスが柔らかすぎるのも、熟睡を妨げる原因になりますし、重すぎる掛け布団や肌ざわりにも影響されます。
寝室はリラックスできますか?
音がうるさい、外光が顔にあたる、寝室の雰囲気が落ち着かないといったようなことで熟睡を妨げられることも意外と多いようです。寝室は、柔らかい間接照明がもっとも熟睡できるという調査結果があります。寝具やカーテンをリラックスできる色や肌ざわりに変えてみることも、睡眠の質の向上には効果が期待できます。アロマテラピーや音楽でリラックスするのもいいでしょう。抱き枕をかかえる、柔らかく肌ざわりのよい寝具にするなどで、安心感から熟睡できることも。新鮮な空気に入れ替える、植物を置くことなどいろいろと工夫してみましょう。また室温は、夏は25度、冬は15度で、湿度50%が最適だといわれています。
睡眠時間を減らすと、熟睡できることも
睡眠にはリズムがあります。眠りはじめの浅い状態はレム睡眠といい、身体の疲労を回復させ、このとき夢を見ます。やがてもっと深い眠り、脳の疲労を回復させるノンレム睡眠へ入り、やがて波がよせかえすように浅い睡眠へ、それからまた深い睡眠へと、約90分周期で一晩に4〜5回繰り返します。この睡眠のリズムをうまくつかむことで、短い睡眠時間でも、熟睡感を得ることができます。通常は浅い睡眠のときに目が覚めるのですが、朝起きて熟睡できていないと感じる人の場合、深い眠りの時に目が覚めるリズムになっていることが多いものです。いままでより30分あるいは1時間早く目覚めてみると、案外リズムがピタリとあって、気持ちよく目覚められるかもしれません。
病気の疑いのあるときは、早めに治療を
あなたはいびきをかきますか?いびきをかく人で、目覚めたとき妙に疲れが残っていたり、息苦しくなって目を覚ましたり、昼間睡魔がおそってくる人は、就寝中に10秒以上の呼吸停止が何度も起こる「睡眠時無呼吸症候群」の疑いがあります。途中で何度も目が覚めるので慢性的な不眠症になり、放っておくと高血圧や心臓病にかかりやすくなります。心当たりがある人は、耳鼻咽喉科を受診してみてください。また、うつの初期症状で熟睡できない場合もあります。心療内科や精神科の診断を受けましょう。このほか睡眠障害を伴う病気として、突然に眠気がおそってくるナルコレプシーという脳の病気や、睡眠のリズムがずれるスケジュール障害というものもあります。
ちょっとでも眠ることが大切
熟睡できなくても、じっと横になっているだけで、身体の疲労はかなり回復するものです。また、何度も目が覚めてほとんど眠っていないと思っている場合も、自覚以上には眠っているものだということがデータで実証されています。ほんの数分でも眠ることで、疲労回復に大きな効果があります。1日くらい眠らなくても、案外大丈夫なもの。その翌日は、深い眠りを得られることでしょう。
気になる症状については、一人で判断をせず、お近くのクリニックまたは病院で検査をして下さい。専門家の意見や判断をあおぐことをおすすめします。 |