心の問題で吐いてしまう
食べている最中、あるいは食べ終わったとたんに吐いてしまう、吐いてしまわないと平静な気持ちでいられない。こんな状態が継続しておきるのが、摂食障害です。いわゆる拒食症と過食症の状態です。拒食症と過食症は、心の問題からおこります。体の病気が原因で吐いてしまう場合は、症状が長く続くことはあまりなく、痛みを伴うので、明らかに摂食障害とは別の症状だとわかるはずです。
拒食症は命にかかわることも
カーペンターズの女性ボーカルが拒食症で亡くなったことが、記憶にある人も多いでしょう。ガリガリにやせた姿は、痛ましいというほかはありませんでした。どうして、こんなことになってしまうのでしょう。一般には拒食症といわれますが、ダイエット後のリバウンドのように、時に過食し、交互の症状を繰り返すのが特徴です。どちらも食欲に支障をきたすものですから、摂食障害といわれます。
限界を超えるとあと戻りできない
食欲をつかさどる中枢神経と、満腹感をつかさどる中枢神経のバランスがとれているのが正常な状態です。摂食障害になると、このバランスは完全に崩れてしまいます。そして、摂食障害が進むと、とにかく身体からすべての脂肪をそぎおとさなくてはならない、というような、過剰な思い込みにおちいります。身体の脂肪は、体感温度を保つ、外からのショックから臓器を守るなど、重要な役割をもっていますが、そうした最低必要な脂肪分まで、落とそうとします。この段階にいたると、生命維持に支障をきたすほどの状態ですので、一刻も早く専門医にかからなくてはなりません。
はじめはただのダイエットのつもりが
摂食障害の多くは、若い女性にみられます。それは、若い女性の多くが、ダイエットの経験者であることからも納得できます。健康体重といわれる数字どおりの体重でも、スリムで美しい体とは思えず、まだ太っていると考える女性が多いようです。だから、体重を落としたい、ダイエットする、食べない、ということになりますが、摂食障害の多くは、ここから次の段階、食べることへの罪悪感をもつようになるのです。目標体重まで減っても、それでは満足できません。体重を落とすということに、いわば命をかけている状態になり、体重はどんどん減っていきます。他人から見るととても美しいとはいえない状態にまでやせても、本人は満足できなくなるのです。
吐くようになったら要注意です
しかし、体の欲求として、何も食べないで生きていくことはできません。そのため、限界に達したとき衝動的に、たいていの場合は大量に食べ、そのあとすべてを吐いてしまうという行動に走ることになるのです。次第に、食べたあとは必ず吐くようになります。無性に何か食べたくなって、買ってきた菓子パンやお菓子などを一気に食べたり、夜中、急にお腹がすいて冷蔵庫の中のものを全部平らげ、そのあと口に指を突っ込んで食べたものを吐いてしまわないと気がすまない。こんな状態になったら、できるだけ早く手をうたないと、症状は加速していきます。
根本的に治さないと、完治は難しい
人の心は複雑でデリケートなもの。そして体の状態は、心の状態に大きな影響を受けます。どちらかが不調なとき、お互いに影響し合っています。誰かに太っていると言われたなど、単純な理由がきっかけになることもあります。摂食障害になる人の多くは心の問題をかかえています。やせたいという欲求は、いわば、この世から自分をなくしてしまいたいということでもあります。統計によると、その多くは母親との葛藤をかかえているといわれています。表面的なものではなく、根本から解決できるよう、周囲の人の理解も必要です。
とにかく早く治療すること
心の葛藤は、自分ではなかなか気がつかないものです。また、自分だけは大丈夫だと思いがちですから、なかなか自発的に心療内科やカウンセリングを受けようということにはなりません。あまりにもやせる、行動がおかしいということで、周囲の人が病院に連れて行くというケースがほとんどです。症状が進むほど、回復には時間がかかります。それは、それだけ心が重症ということです。できるだけ早く治療を始めること、そして焦らずじっくりと回復を待つことが大事です。美しくなりたいというのは、いわば、女性の本能のようなもので、そのために美容に気を遣ったり、ダイエットしたりするわけですが、健康あっての美だということを忘れてはいけません。
気になる症状については、一人で判断をせず、お近くのクリニックまたは病院で検査をして下さい。専門家の意見や判断をあおぐことをおすすめします。 |