大きな大きなタマゴ
妊娠すると一番はっきり出る症状、それはお腹の痛みです。はっきり妊娠しているかわかりにくい初期のころから、なんとなく下腹が痛いような張るような、独特の不安な感じ、誰しも体験するものですね。子宮の大きさは妊娠していないときで長さ6.5〜7.5センチ、重さ50gぐらい。子宮の壁は、妊娠するとやわらかくなり、ピークには長さ36センチ、重さ1000gほどにもなります。本当に大きな大きなタマゴをお腹の中に入れるわけですから、どうりで痛いわけです。
お腹が大きくなると陣痛の前触れが
だんだんとお産が近づいてくると、子宮はとても敏感に。ちょっとした刺激でも、下腹がキューッと痛くなったりします。お腹が大きくなってくると、陣痛がくるにはまだ早いはずなのに、周期的な痛みがおそってくることもあります。会陰や膣、肛門もいつもよりやわらかくなっていますから、痛みがとまらないときは、できるだけお尻のほうに刺激をあたえないように横になりましょう。
恥骨のあたりがミシミシ痛む
お腹の痛みとはちょっと違う、骨がミシミシするような痛みがあるときは、骨盤がゆるんできているサインです。わたしたちの骨盤は、産道を赤ちゃんの頭が通るのにぎりぎりの大きさです。これを押し広げるために、リラキシンというホルモンが分泌されます。これは骨盤の底にあって、骨をつなぎ、内臓をささえているいくつかの筋肉の束をゆるめるためのものです。特に恥骨の真ん中の結合しているところが広がるとき、鋭い痛みを伴います。
いくつかの骨のユニット
骨盤は、ひとつの骨というイメージを持っている方も多いと思いますが、実は何枚かの骨が集まった骨のユニットなのです。中心にあるのが仙骨、その下にあるのが尾骨、仙骨の両側にあるのが腸骨。特に仙骨と腸骨の間にあるV字形の関節がゆがんでいると、お腹の赤ちゃんも心地が悪く、逆子になりやすいといいます。痛みが出やすいポイントは、このV字形の関節と、恥骨の結合、そして仙骨と背骨の間です。
下腹の痛み、注意したいケース
もし「この痛み方はふつうじゃない」と感じたり、おりものに血が混じったりするようなら、すぐに婦人科の医師に診てもらってください。周期的な痛みを伴っていたら流産か早産かもしれません。激痛と貧血があるようなら、子宮外妊娠や胎盤剥離の疑いも。また、直接妊娠とは関係なくても、体が敏感になっているために盲腸になることもあり、尿が出にくくなったために尿道に石がたまっていることもあります。
陣痛をポジティブに受け止める
周期的な陣痛が始まって、そろそろ赤ちゃんが生まれるサインがでたら、いざ病院、産院、助産婦さんのところへ。ほとんどの人が、そのときのために必要な道具をセットにしてかばんに用意していますが、心の準備はどうですか?病院ではラマーズ法やソフロロジー、イメージトレーニングなどが指導されていますが、決め手になるのはお母さんの「生もう」という決意。無理に優等生になる必要はないけれど、「痛みも快感」とポジティブな気持ちで出産したお母さんもいるとか。体に力が入らず、楽なお産ができたそうです。
使う?使わない?陣痛促進剤
陣痛というとすごく痛いイメージがありますが、人によってはあまり痛みが強くないこともあります。また予定日を過ぎても、なかなかお産が始まらないときは、赤ちゃんが子宮の中で危険な状態になることもあります。こんなときのために陣痛促進剤は、子宮を人工的にけいれんさせてお産をうながすものです。しかし、これが使われる理由には、病院の職員が休日に出勤しなくてすむように、出産時期を調整したいということもあるようです。陣痛促進剤で子宮が破裂して、お母さんの命が危険にさらされる事故も報告されています。使う、使わないの意思表示は、自分がかかる病院に、あらかじめしておいたほうがよさそうです。ただし時には、微弱陣痛で、陣痛促進剤が必要な時もあるので、あまりかたくなに考えず、医師とよく相談しましょう。
ママの大事な回復期「産褥」の痛み
やっと元気な赤ちゃんとの対面をはたしてホッとしたら、育児とともにお母さんの体のケアが始まります。子宮は出産後1ヶ月ぐらいでもとの大きさに戻りますが、そのときに悪露(おろ)を伴った後陣痛があります。これは子宮がもとに戻ろうとして、収縮するために起こるものです。子宮の回復をスムーズにするためには、なるべく早いうちから産褥(さんじょく)体操や歩くことなど、運動をすることが指導されています。ひどい痛みが長引くようだったら、子宮復古不全症、産褥熱を疑ったほうがいいかもしれません。
つぎの赤ちゃんのために
最近は「子供はひとりでいい」というカップルが多いようですが、先のことは誰にもわかりません。いざできてしまえば「やっぱり生もう」と思うかもしれません。いま8割の人が会陰切開を、2割の人が帝王切開をしているといいます。未来の赤ちゃんのためにも、産後のお腹の痛みは丁寧にケアしましょう。産褥の回復は、運動をよくしたか、母乳で育てたか、産褥のケアをきちんとやってくれる病院や施設を選んだかによるそうです。また今回は残念ながら流産してしまった人も、お腹の痛みと一緒に、カウンセリングやヒーリングを受けるなど、心のケアも忘れずに。
気になる症状については、一人で判断をせず、お近くのクリニックまたは病院で検査をして下さい。専門家の意見や判断をあおぐことをおすすめします。 |