どうして流産するか知っていますか?
流産とは、妊娠24週未満でお腹から胎児が出てしまう事。10週までを初期流産、そのあとを後期流産と分ける事もあります。人工中絶でない自然流産は、妊婦100人のうち、12〜20人ぐらいに起こるといわれています。流産というのは、それほど珍しい事ではないのです。流産は、妊娠14週目ぐらいまでですと、受精卵の染色体異常など、胎児側に何らかの原因があるために起こることが多いようです。その証拠として、超音波の検査で、胎児の心臓の動きが確認されると、流産する可能性がぐんと下がるようなのです。心臓の動きというのが、「生まれる準備が整ってきたよ」という、ひとつのメッセージになっているのかもしれませんね。
一度流産するとクセになるの?
よく一度流産するとクセになるといいます。実は、この説は医学的に根拠がなく、正しくありません。ただし、人工中絶をしたときに子宮を傷つけてしまった人は、ふつうの人より流産しやすくなってしまいます。このほか、子宮の出入口にある「頚管(けいかん)」という場所が緩くなっていたり、子宮筋腫ができていたりすると、流産を繰り返してしまう事があります。こんな場合は、頚管を縛る手術や、筋腫を取り除く手術をして、流産を予防します。
何度も繰り返してしまうのはなぜ?
妊娠・流産を3回以上繰り返す事を「習慣流産」と言います。習慣流産になる原因は、さまざまです。例えば、夫婦どちらかの染色体の異常、遺伝的な問題、血液型不適合、内分泌異常、子宮内の感染症、自己免疫異常、子宮の異常などが上げられます。これらのどれに深く関わっているかというのは、血液を採って調べたり、子宮の超音波検査をしたりしますが、それでも10組のうち3組のカップルぐらいしか原因が見つからないといいます。
習慣流産ではこんな治療を
習慣流産の治療は、原因によって分かれます。例えば、自己免疫異常などで血液が固まりやすく、それが原因で流産してしまう人には、痛み止めの薬として有名なアスピリンを飲むという治療法があります。アスピリンは血液をサラサラにする働きがあるので、胎盤で血液が固まるのを防ぎ、胎児を守る事ができます。ヘパリンというアスピリンより強い薬を注射する治療法もあります。原因がわからず、いろいろな治療を試してもうまくいかない場合は、夫の血液を輸血する免疫療法という方法をする事もあります。このほかにもいくつか治療法があります。
漢方薬での治療
漢方の発祥の地、中国では、習慣流産の予防に、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」が用いられてきました。あまり体力がない人、生理の量が多い、生理が長く続くなど月経異常があった人、貧血気味の人、手足が冷える人などに、特によいとされてきました。その他、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、「温経湯(うんけいとう)」なども使われてきたそうです。ただし、日本では漢方薬は効くという説と、効かないという説があります。また、妊娠中に飲んでいいかどうかについても専門医と相談した方がいいでしょう。
流産にまつわるウワサを徹底検証
流産まつわるウワサや言い伝えは数多くあります。知っておいた方がいい事もあるので、いくつか紹介しましょう。まず「柿を食べるのは×」ですが、これは「熟すと崩れる」という迷信からきています。果物だって妊婦にとっては大切な食材のひとつなので、柿も含めて、いろいろな果物を食べるようにしましょう。続いて、「熱いお湯に入るのは×」これも医学的な根拠がありません。ただ、ぬるめのお湯にゆっくり浸かった方が、疲れがとれるので、おすすめです。タバコは、胎児の発育を妨げるため、絶対に禁止です。父親や家族の吐いた煙を吸うのも、自分で吸っているのと同じくらい、胎児によくありません。
不安はぬぐい捨てて
お腹の中に赤ちゃんがいる。この嬉しさや満ち足りた感じというのは、妊娠した人しか分からない気持ちです。けれども妊婦さんは同時に、無事に生まれてくれるだろうかという、不安な気持ちも抱えながら、毎日を過ごしているわけです。特に、一度流産をした経験がある人なら、なおさら不安が募る事でしょう。たとえ、前の流産が受精卵のときから定められた運命だったとしても、かつての辛かった経験があったからこそ、強くて優しいお母さんになれる。そう思って、毎日を過ごしていく事こそ、大切ではないでしょうか。
気になる症状については、一人で判断をせず、お近くのクリニックまたは病院で検査をして下さい。専門家の意見や判断をあおぐことをおすすめします。 |