お腹に裂け目のような痕が
妊娠の中期から8ヶ月ぐらいにかけて、お腹、お尻、太ももなどにできる裂け目のような痕、それが妊娠線です。妊娠中は毛細血管が透けているために、少し赤味を帯びていますが、出産してしばらくすると、赤味が消えて白っぽくなってきます。線そのものも、妊娠中より小さくなり、目立たなくなります。
妊娠の勲章?それとも…
妊娠線のことを、「妊娠した証、勲章」という人もいます。それくらい大勢(数字で言うと9割近く)の妊婦さんに見られます。なぜできるのか、それは、皮膚が妊娠によって急激に引き伸ばされるから。お母さんのお腹のなかでは胎児がどんどん大きくなりますし、あわせて、お尻やバストに脂肪がつき、大きくなっていきます。それにあわせて皮膚もどんどん伸びていきます。しかし、表皮に比べて真皮は伸び縮みしにくいので、限界になると、真皮が割けて、あのような状態になってしまうのです。
妊娠線ができやすい人とできにくい人
もちろん、妊婦さんなら誰でも妊娠線ができるというわけではありません。肥満体質の人、乾燥肌で皮膚に弾力性がない人は、妊娠線ができやすく、妊娠中も少しやせていて、うるおいのある肌の人はできにくいようです。また、年齢が上がるほど皮膚の柔軟性が失われていくため、若いころよりも妊娠線ができやすくなります。最近では妊婦さんの体重管理なども厳しく、お腹を見なければ妊婦さんとういことがわからないくらいほっそりした人がいます。こういう人は、あまり妊娠線ができにくいのです。
一度できたら消えないってホント?
妊娠線の問題は一度できてしまうと、そのままでは消えないということ。出産後、皮膚に張りが戻ってくると、小さく、目立たなくはなりますが、全くなくなってしまうことはないのです。ということは、作らない、つまり予防することが大切なのです。何よりも心がけたいのが、太りすぎないこと。マタニティスイミング、マタニティビクスなどで、脂肪は燃やし、食事の内容を吟味し、エネルギーのとり過ぎに気をつけましょう。
ジェルやクリーム+マッサージで予防を
同時に、皮膚にうるおいを持たせて、弾力性のある状態を保つために、妊娠線予防のクリーム、ローション、ジェルなどを塗ることも大切です。実際、ある調査では妊婦さんの5割以上の人が、何らかのクリームやローションを塗って、妊娠線を予防しています。お腹、お尻、太ももなどに塗ったあと、その場所を10回程度、優しくマッサージしましょう。妊娠中期から使い始めて、出産後もしばらく使っているとよいようです。
こんな治療法も登場
出産後、どうしても妊娠線を消したい、そう思う人もいるでしょう。最近では、妊娠線を治す病院・クリニックも出てきました。100%きれいになるとは限りませんが、あとが薄くなっていくようです。その治療とは、レーザーやマイクロダーマアブレーション。後者はものすごく細かいアルミの粉か塩を妊娠線のある場所に吹き付け、表面を薄く削っていくという治療法です。1回できれいになるわけではなく、何度も繰り返す必要がありますが、気になっているのであれば、試してみてもいいかもしれません。
妊娠していなくても妊娠線
妊娠線の本当の名前は「線状皮膚萎縮(いしゅく)症」といいます。だから、妊娠していなくても、男性でも妊娠線ができることがあります。妊娠以外では、思春期に急に成長したときや、急激に太ったときにできます。メカニズムは妊娠によるものと全く同じです。そのほか、薬の内服、外用によって生じることもあります。重大な感染症にかかったときも、このような症状があらわれることがあります。敗血症、腸チフス、脳脊髄膜炎などです。
気になる症状については、一人で判断をせず、お近くのクリニックまたは病院で検査をして下さい。専門家の意見や判断をあおぐことをおすすめします。 |