目が離せない、目のかすみ
久しぶりに針仕事をしようとしたら、針の穴に糸がなかなか通らない。曇った日には、新聞の文字がぼやけて見える。40歳をすぎたころから、そろそろこんな現象がしのびよります。たいていは老眼または老視と呼ばれるもので、女性は50歳前後からはじまることが多いようです。老眼であれば、離れて見たり、老眼鏡をかければすみますが、なかには脳の病気による場合があります。目のかすみから動脈瘤を発見した、という例もあるようです。目のかすみには、目が離せません。
悲劇を回避するシグナルかも
動脈瘤は、血管がこぶのようにふくらんでしまうものです。こぶ状になった部分の場所とその大きさによっては、脳の神経が圧迫され、ものが二重に見えたり、かすんだりします。働き盛りの人を突然襲うくも膜下出血は、動脈瘤の破裂から起こることが最も多いのです。くも膜下出血のこわいところは、なんの前兆もないので、事前に気がつかないところといわれています。ところがくも膜下出血で倒れた人の半数は、実は、事前に頭痛や目のかすみを訴えているといいます。日常生活でよくありがちな、ちょっとした目のかすみ。もしかするとそれは、体が必死にシグナルを送っていることも考えられます。
中年になってからも起こる斜視
斜視が進むと、ものがダブって見え、目がかすんだ状態になります。斜視は寄り目とも呼ばれ、片方の目が斜めを向いている症状をいいます。たいていは生まれつきですが、中年以後に起こることも珍しくありません。普段は斜視でなくても、疲れたときや眠くなったときに起こる人もいます。若いときは自然に両目の視線を合わせていたものが、40歳をすぎたころから、その機能が弱まりはじめるからです。さらに斜視が進むと、極端に視力が落ちる恐れもあります。はじめのうちは本人が気づかないことが多いだけに、厄介です。
近くのものが、はっきり見えない
ものを映す眼球、映した画像を受信する大脳、眼球と大脳をつなぐ視神経。ものが見えるのは、この3つの働きによります。年をとると、眼球の中のレンズ部分(水晶体)が受け持っているピント合わせをする働きが衰えてしまうので、ものがかすんで見えるようになるのです。ピントを合わせることができる、最も目に近い距離は、年とともに遠くなっていきます。近くのものを見るとき、眼球は厚くなります。つまり老眼は、水晶体を厚くしようとする働きがおとろえている状態なのです。
老眼になる基準って?
「何センチ以内のものがかすんだら、老眼」というような基準はありません。それまで30センチ離して本を読んでいた人なら、50センチ離さなければ読めなくなったときが、老眼です。10歳代であっても、同じです。はっきり見える距離が、それまでより遠くなったときが、老眼なのです。よく「近視の人は、老眼になりにくい」といいますが、これは根拠がありません。近視の人が老眼になっても、メガネをはずしさえすれば、それまでと同じ距離でものが見えるからではないでしょうか。
老眼鏡をかけると、老眼が進む!?
老眼は、病気ではありません。したがって、治療薬もありません。そこでしかたなく、老眼鏡をかけることになります。メガネをかけなければ、ものが見づらいだけではありません。目に負担がかかり、頭痛を引き起こすこともあるからです。一方で「メガネをかけると、ますます老眼が進んだ」という声も多く聞かれます。老眼鏡と老眼の進行との関係は、現在のところまだはっきりしていません。しかし、かけずにすむなら、かけずにいたいと考えている人が多いのではないでしょうか。
トレーニングで老眼の進行を遅らせる
ある眼科医は、老眼の進行を遅らせるトレーニングを提案しています。この眼科医が学会で報告したところによれば、トレーニングをした人と、しなかった人とは、見える距離が、2ヶ月で12センチの差がついたそうです。もちろん、スタートしたときの状態は、両者ほぼ同じでした。またトレーニングした26人中、19人の老眼症状が改善しています。
Let's トレーニング
最初に目の前15センチの指先を見ます。次にできるだけ遠くのものを見ます。そのとき、目と指先と遠くのものが一直線に並ぶようにします。この2つを、約1秒間隔で、40回繰り返します。以上を1セットとし、1日4セット以上おこないます。
気になる症状については、一人で判断をせず、お近くのクリニックまたは病院で検査をして下さい。専門家の意見や判断をあおぐことをおすすめします。 |