
心臓は、血液を全身に送るためにポンプのように収縮と拡張を繰り返していて、心筋と呼ばれる筋肉でできています。心臓には右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋があり、全身を循環した血液は静脈から右心房に流れ込みます。右心房から右心室、さらに肺へと送られた血液は、呼吸によって酸素を受け取り、左心房、左心室を経由して動脈から再び全身に血液が送られるのです。

心臓がこのような働きをするために、心臓を冠のように取り巻き、心臓に酸素や栄養を送る働きをしている血管を冠状動脈(冠動脈)といいます。この冠動脈が、動脈硬化などによって狭くなり、心臓に血液が流れにくくなる病気を狭心症といいます。
狭心症には労作性狭心症と安静狭心症とがあります。労作性狭心症は、体を動かしている時などにしめつけられるような胸の痛みや、息が詰まるように感じるなどの発作が起き、しばらく安静にしていると治まります。労作時に心臓は多くの酸素を必要としますが、冠動脈の狭窄のために心臓への血流量が増えないことが発作の原因です。安静狭心症は、睡眠中や安静時などに胸痛が起こり、労作性狭心症よりも痛みが強く、長引きます。発作の原因は、冠動脈の狭窄が進行しているか、冠動脈がれん縮(けいれん)して一時的に血流が止まることではないかといわれています。
また、狭心症よりさらに進んで冠動脈が詰まってしまい、心臓に血液が流れなくなって心臓の一部が壊死してしまう病気を心筋梗塞といいます。
心筋梗塞になると、突然の激しい胸の痛みや嘔吐などの発作が30分以上続き、生死に関わります。脳出血と並んで突然死が多い病気だといえます。不整脈や心不全の合併症も起きやすいため、心筋梗塞の発作が起きたらすぐに病院へ運び、治療することが大事です。狭心症と心筋梗塞は、動脈硬化が大きな原因となるため、生活習慣病の一種です。これらの病気は心臓へ流れる血液が不足する、つまり虚血になるので、虚血性心疾患と呼ばれています。
冠動脈の異常による虚血性心疾患に対して、心臓の機能異常によって起こるのが不整脈です。心臓は1分間に60〜100回拍動していますが、
不整脈とは通常より拍動が異常に早くなったり、遅くなったり、リズムが不規則になったりする病気をいい、さまざまな種類があります。検診などでたまたま不整脈が見つかっても、治療の必要がない場合が多いのですが、心筋梗塞などの心臓病が元になっている場合など、なかには危険な不整脈もあり、そういったものは治療が必要です。
そのほか、右心房や右心室など心臓の4つの部屋を隔てている弁の機能に障害が起きる心臓弁膜症、何らかの原因で心筋の状態が悪くなり、心臓の機能が低下する心筋症、心臓のポンプ機能が低下して、全身に血液が十分に行き渡らななくなる心不全などがあります。
心不全は、心筋梗塞や心臓弁膜症、高血圧、不整脈、拡張型心筋症などが原因で起こります。 |